低出力レーザー治療(LLLT)はAGA治療薬の代わりになる?現役医師がエビデンスを解説
結論
「薬の副作用が心配だから、レーザーだけでAGAを治療したい。」
このように考えている人は少なくありません。
最近ではレーザーキャップやレーザーヘルメットなど、自宅で使用できる低出力レーザー治療(Low Level Laser Therapy:LLLT)も増えてきました。
では、本当にフィナステリドやデュタステリドの代わりになるのでしょうか?
結論から言うと、低出力レーザーには一定の発毛効果は期待できますが、フィナステリドやデュタステリドの代替にはなりません。
この記事では、現在のエビデンスをもとにAGA治療における低出力レーザー治療の位置付けについて詳しく解説します。
低出力レーザー治療(LLLT)とは?
低出力レーザー治療(LLLT)は、赤色〜近赤外線の低出力レーザーを頭皮に照射することで発毛を促す治療です。
レーザーが毛包細胞のミトコンドリアを刺激し、ATP産生を促進することで細胞の働きを活性化すると考えられています。
その結果、
- 毛包の活動を促す
- 成長期を延長する
- 毛髪密度を増加させる
といった効果が期待されています。
薬とは全く異なる作用機序で発毛を促す治療です。
レーザー治療には効果がある
「レーザーなんて意味ない」と思われることもありますが、それは正しくありません。
複数のランダム化比較試験では、
- 毛髪密度の増加
- 毛髪径の改善
- 患者満足度の向上
が報告されています。
つまり、
低出力レーザーには一定の発毛効果がある
という点については、多くの研究で概ね一致しています。
しかし、薬の代わりにはならない理由
ここが最も重要なポイントです。
AGAは
DHT(ジヒドロテストステロン)によって毛包が徐々に小さくなる病気
です。
AGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド)の場合、
フィナステリド、デュタステリド
↓
DHTを減少
↓
AGAの進行を抑える
という治療になります。
一方でレーザーは
レーザー照射
↓
毛包を刺激
↓
発毛を促進
という治療です。
つまり、AGAの原因そのものには作用しません。
例えるなら、植物が枯れる原因が害虫だとすると、
AGA治療薬→害虫を駆除する治療
レーザー→肥料を与える治療
です。
肥料だけでは、害虫によるダメージを止めることはできません。
そのため、レーザー単独ではAGAの進行を十分に抑えられるとは考えられていません。
また、レーザー治療の長期間なエビデンスはなく、5年、10年と維持できるかわかりません。
ガイドラインでも補助療法という位置付け
国内外のガイドラインでも、低出力レーザーは補助療法という位置付けになっています。
つまり、
「第一選択」
ではなく
「薬に追加する治療」
という扱いです。
現時点では、
- フィナステリド
- デュタステリド
- ミノキシジル外用
これらがAGA治療の中心であり、レーザーは補助的に追加する選択肢となっています。
薬と併用すると効果は高まる可能性がある
近年の研究では、ミノキシジル単独よりも、ミノキシジル+低出力レーザーの方が毛髪密度や毛髪径が改善したという報告もあります。
つまり、レーザーは「薬の代わり」ではなく薬に追加する治療として考える方が適切です。
低出力レーザーがおすすめな人
以下のような人では選択肢になるでしょう。
- フィナステリド・ミノキシジルを使用している
- さらに発毛効果を高めたい
- 副作用が少ない追加治療を探している
あまりおすすめできない人
一方で、
以下のような人にはあまりおすすめできません。
- 薬を使いたくないからレーザーだけにしたい
- AGAが進行している
- コストをできるだけ抑えたい
レーザー機器は数万円〜十数万円するものも多く、
費用対効果を考えると、まずはガイドラインで推奨されているAGA治療薬を優先する方が合理的です。
よくある質問
LEDでも同じですか?
必ずしも同じではありません。
製品によって波長や出力が異なるため、レーザー機器とLED機器を同列には評価できません。
副作用はありますか?
重篤な副作用は少ないとされています。
まれに頭皮の赤みやかゆみなどが報告されています。
まとめ
低出力レーザーには一定の発毛効果があります。
しかし、
AGAの原因であるDHTを抑えることはできません。
そのため、
- フィナステリド
- デュタステリド
- ミノキシジル
の代わりになる治療ではなく、
補助療法
として考えるのが現在のエビデンスです。
まずはガイドラインで推奨される治療から始めるのがおすすめ
低出力レーザーには一定の発毛効果が期待できます。
しかし、現時点ではAGA治療の第一選択とは位置付けられておらず、薬の代替にはなりません。
一方で、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルは、多くの研究で効果が確認され、国内外のガイドラインでも推奨されている治療です。
そのため、まずはAGA治療薬で治療を始めるのが最も合理的です。
特にAGAは進行性の疾患です。
「レーザーだけで様子を見よう」と数年過ごしてしまうと、その間にも薄毛は進行してしまう可能性があります。
まずはガイドラインで推奨される治療を開始し、必要に応じて低出力レーザーを追加するという考え方がおすすめです。
オンライン診療なら自宅で治療を始められる
最近では、AGA治療はオンライン診療でも始められるようになりました。
通院する必要がなく、自宅に薬が届くため、忙しい方でも治療を継続しやすいのがメリットです。
また、自宅で使用できるレーザーキャップやクリニックでのレーザー治療は5〜15万円以上する一方、フィナステリドは月1.000円ほどで治療できるクリニックもあります。
私が実際に利用しているおすすめしているクリニックは以下の記事で詳しく紹介していますので、「まずは標準治療から始めたい」という方は参考にしてください。
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